8/17(土) 21:55 多根清史(マグミクス)
ファミコンソフトはROMカセットだけでも1000本以上あるためか、いわゆる「ゲー」も相当な本数あります。異常に難度が高かったり、それ以前のデキだったり、コンセプトが意味不明だったり、高い評価とは別の方向で記憶に焼き付いたものをまとめての「ゲー」です。
そのうち、かなりの比率を占めるのがアーケード(AC)ゲーム=ゲームセンターに置かれていたタイトルの移植ものです。だが、ちょっと待って欲しい。もともと人気が高く、知名度もあったからこそ、ファミコンに移植されたはずです。
それがゲーとして多くの人の胸に刺さっているのは、なまじファミコンソフトであれば数万本から数十万本も売れてしまい、原作(AC版)ゲームの印象を上書きしてしまったからでしょう。
当時はゲームセンターに行けたのは基本的に大人だけで、子供にとってアーケードゲームは「名前を聞いたことはあるが、見たことがない」憧れの存在でした。その憧れがファミコンに移植され、家にやって来たときの夢と現実とのギャップが「ゲー」という言葉に詰まっているのです。
その筆頭に挙げられるのは、カプコンの『魔界村』でしょうか。騎士「アーサー」がさらわれた姫を救うために魔界を突き進む横スクロールアクションゲームであり、AC版は、当時としてはずば抜けて美しいグラフィックや、歯ごたえある難度ながらもテンポの良いゲーム進行が絶賛を集めます。
それがファミコン版では、理不尽な難しさが子供たちをむせび泣かせる極悪ゲームに成りはててしまいました。フジテレビCS放送のゲームバラエティ番組『ゲームセンターCX』では、1ステージだけで約5時間も有野課長を苦しめています。
こんなことになった理由は、おもに「マイクロニクスという下請け会社が移植を担当したから」のひと言に尽きます。いまや存在しない会社ですが、1980年代には数々のアーケード移植を手がけており、ほとんどが残念な結果でした。
たとえば同じカプコンのシューティングゲーム『エクゼドエグゼス』ファミコン版は、処理落ちが酷くて画面がちらつき、説明書では「ときどき画面が見えにくくなることがありますが、ゲーム進行上の影響はありません」と開き直っていました。
さてファミコン版『魔界村』は、大容量の1M(bit)ROMを使っており、初代『ドラゴンクエスト』の2倍あります。それだけに原作からキャラクターが削られることも、ステージ数が減ることもなく、その意味では頑張っています。
が、主人公の動きがガクガクで、移動がモタつきます。その上、原作では必須テクだった「小刻みに動かしてモーションをキャンセル、高速に武器を連射」もできないため、硬い敵は撃破できずに苦戦を強いられることも珍しくなくなりました。
その最たるものが、赤い悪魔「レッドアリーマー」です。トリッキーな動きをするものの、連射ができれば瞬殺できるはずが、序盤から立ちはだかる超強敵に変わってしまいました。有野課長も90連敗ほどしていましたが、原作ではあれほど凶悪ではありません。
さらに、攻略のハードルを上げるオリジナル仕様も追加されています。たとえば、取るとアーサーを一定時間カエル(攻撃できなくなる)に変える「カエルキング」や、残り時間が減らされる「ニセ弥七」などバッドなアイテムが増やされました。
また、特定のボスには一部の武器がダメージを与えられない新要素もあり、「オノが効かないボスの手前にオノを置く」素敵なトラップもしかけられています。原作ファンからは「要らないことをするな」という声が聞こえてきそうです。
その一方で、ナイスな改変もあります。ラスボスを倒すのに必須の武器「十字架」は、原作では入手できるかどうか運まかせ、ザコが落とすまでこれを倒し続ける不毛な作業を強いられました。が、ファミコン版では隠しアイテムとして配置されており、確実にゲットできます。
ゲーム全体を通してみれば、終盤は難度が下がっており、理不尽さは薄れています。
(※以下略、全文は引用元サイトをご覧ください。)
引用元: ・【魔界村】クソゲー認定ちょっと待った 子供が絶望した「AC移植FCゲー」はどうしてそうなった? [湛然★]
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